建設業を営むにあたり、一定規模以上の工事を請け負う場合には「建設業許可」が必須となります。彦根市でもこの傾向は同様で、元請企業や公共工事との取引を考える際には、建設業許可の有無が事業の継続・発展を大きく左右します。
しかし実際には、「申請したけれど許可が通らなかった」という声も少なくありません。この記事では、建設業許可の取得を目指す彦根市の事業者様に向けて、許可が下りない主な原因とその対策について、2025年7月現在の法令に基づいて詳しく解説します。
建設業許可の申請における基本的な条件
まずは、建設業許可を取得するために必要な基本要件を再確認しておきましょう。主に以下の5つがポイントです。
- 経営業務の管理責任者がいること(経管要件)
- 専任技術者がいること(技術者要件)
- 財産的基礎があること(財産要件)
- 誠実性があること(法令遵守)
- 欠格要件に該当しないこと(反社排除等)
いずれかの条件が欠けている場合、申請は受理されても後の審査で不許可となる可能性があります。
許可が通らない主な原因と注意点
1. 経営業務の管理責任者の証明が不十分
経営業務の管理責任者(通称「経管」)は、過去5年以上、建設業の経営に直接関与していた経験が必要です(法人役員、個人事業主などの経験)。しかし、「役員にはなっていたが実務経験が不足している」「証明できる書類がそろわない」といった理由で経管要件を満たせないケースが多発しています。
対策:
- 履歴事項全部証明書や確定申告書、工事請負契約書などで実績を客観的に証明する。
- 自社に適任者がいない場合は、外部から経管経験者を招くことも検討。
2. 専任技術者の実務経験不足・証明不備
許可業種ごとに必要な「専任技術者」は、資格取得者または一定年数以上の実務経験者でなければなりません。中でも実務経験を証明する際の資料(工事台帳・注文書・請求書など)が不十分だと、審査に通らない可能性があります。
対策:
- 経歴証明書に加えて裏付け資料を最低5年分以上提出。
- 複数の現場に関与していることを具体的に示せるように準備。
3. 財務状況が許可基準を満たしていない
建設業許可には、会社や個人事業の健全な財務基盤が求められます。直近の決算内容において資産超過であること、支払能力があることが重要視されます。赤字決算や債務超過の場合は許可取得が難しくなります。
対策:
- 財務内容に懸念がある場合は、増資や代表者からの借入金を自己資本に振り替える処理などを検討。
- 税理士の協力を得て、適切な改善策を事前に講じる。
4. 書類の不備・整合性の欠如
建設業許可の申請には、多くの添付書類が必要です。例えば、法人の場合は登記簿謄本、定款、決算書類、技術者や経管の証明書類などを提出します。これらに誤記や整合性のズレがあると、補正や不許可の対象になります。
対策:
- 提出前にすべての書類を精査し、整合性を確認。
- 可能であれば行政書士など専門家に事前チェックを依頼する。
5. 虚偽申請とみなされる記載
許可取得のために経歴や実績を過大に記載したり、事実と異なる内容を記載したりすると、虚偽申請とみなされて重い処分の対象になります。信頼性の低下にも直結します。
対策:
- 記載内容は必ず事実に基づき、根拠資料を添えて申請。
- 曖昧な点は正直に申告し、補足資料で丁寧に説明。
彦根市での申請特有の注意点
彦根市は滋賀県の中でも工事需要が多く、許可申請件数も比較的多い地域です。したがって、県の審査も慎重で、書類の正確性や実態との整合性に厳しく目が向けられます。
また、**許可申請窓口は滋賀県庁(大津市)**となるため、郵送や訪問時の書類不備による再提出には時間とコストがかかります。彦根市での申請でも、遠隔地であることを意識して一度の申請で通るよう書類の完成度を高める必要があります。
まとめ
建設業許可の取得は、書類提出だけでなく、法的要件を満たしていることを**「客観的な証拠資料」で示すこと**が求められます。とくに彦根市のような活発な建設エリアでは、申請件数も多く、審査の目も厳しい傾向にあります。
許可が通らない原因の多くは、書類の不備、実務経験の証明不足、財務内容の問題など、準備段階で防げるものばかりです。確実に許可を取得するためには、早めの準備と、必要に応じた専門家のサポートが成功の鍵となります。


