建設業を営む個人事業主にとって、「建設業許可」は事業の信頼性や受注の幅を広げるための重要なステップです。
特に彦根市では、小規模ながら地域に密着した施工業者が多く、許可取得による業務拡大を目指す動きが年々高まっています。
本記事では、個人事業主が建設業許可を取得するための基本的な要件から、彦根市の実例を交えて注意点やポイントを詳しく解説いたします。
建設業許可が必要となる条件とは?
まず前提として、建設業の許可が「必ず必要なケース」と「不要なケース」があります。
許可が必要となるのは、以下のいずれかに該当する工事を請け負う場合です。
- 建築一式工事で、1件の請負金額が1,500万円以上(消費税を含む)または延べ面積150㎡以上の木造住宅
- 上記以外の工事(内装・土木・解体・塗装など)で、1件の請負金額が500万円以上(消費税を含む)
※請負金額は材料費込みで算出されます。
彦根市では、住宅建築や外構工事、リフォームに従事する個人事業主の方がこの金額を超えるケースが多く、許可取得の必要性が高まっています。
個人事業主でも建設業許可は取れる?
「法人でないと許可が取れないのでは?」といった誤解もありますが、建設業許可は個人事業主でも取得可能です。ただし、法人と同様に以下の条件を満たす必要があります。
許可取得の5つの要件(一般建設業)
- 経営業務の管理責任者がいること(経管要件)
→ 自身が5年以上、建設業の経営に携わった経験があること(個人事業主である本人が該当する場合が多い) - 専任技術者がいること(技術者要件)
→ 該当業種で一定の資格を保有するか、10年以上の実務経験があること - 請負契約に誠実に対応できること(誠実性要件)
→ 過去に建設業法違反などがないこと - 財産的基礎があること(財産要件)
→ 必要な資金力があることを帳簿や残高証明などで証明できること - 欠格要件に該当しないこと
→ 成年被後見人でない、暴力団関係者でないなど
個人事業主の場合、上記すべてを「代表者一人」で満たすケースが多く、証明資料の収集や書類作成の精度が求められます。
彦根市での実例|塗装業の個人事業主の場合
●背景
彦根市内で10年以上塗装業を営む個人事業主Aさんは、元請からの依頼で500万円を超える外壁塗装工事を受けることになり、建設業許可の取得を決意されました。
●対応内容
Aさんは過去の工事実績や帳簿はあったものの、契約書や発注書が不足していたため、「実務経験証明書」を元請業者に記入してもらい提出。
また、専任技術者としての実務経験10年を証明するため、工事写真や請求書などの客観資料を組み合わせて証拠を補強しました。
●結果
申請から約2ヶ月後、無事に許可が下りました。
Aさんはその後、元請からの継続受注が増え、売上の安定化にもつながったとのことです。
許可申請時の注意点
個人事業主が建設業許可を取得する際には、以下の点に特に注意しましょう。
1. 過去の実績は必ず書類で証明できるようにしておく
・発注書、請求書、写真、日報などはしっかり保管しておくことが重要です。
2. 本人名義の通帳・確定申告書の整合性
・資産証明や経営履歴との整合性が取れていないと、審査が遅れる要因になります。
3. 許可取得後の更新・変更届にも注意が必要
・許可取得後も「更新申請」や「変更届出」が定期的に必要です。許可がゴールではなく、スタート地点と認識しましょう。
まとめ
個人事業主であっても、建設業許可は充分に取得可能です。
特に彦根市のような地域密着型の事業者にとっては、信用力向上と安定受注のためにも許可取得は大きな強みとなります。
大切なのは「要件を正しく理解し、証拠資料をきちんと整えること」。
一人で悩まず、専門家の助言を活用しながらスムーズな申請を目指しましょう。


